診療報酬請求事務能力認定試験について
医療事務の資格は、国家資格ではなく民間資格になります。
そのため、たった一つの資格というわけではなく、主催している団体が認定している医療事務の資格が数多く存在しています。
診療報酬請求事務能力認定試験という資格がありますよね?
難易度が高いことでも知られており、就職には有利だとも言われているんですよ。
詳しく説明しましょうか?
ありがとうございます!
診療報酬請求事務能力認定試験とは?
診療報酬請求事務能力認定試験は、診療報酬請求事務に従事する者の資質の向上を図るため、「公益財団法人日本医療保険事務協会」が実施する全国一斉統一試験になります。
診療報酬請求事務は、厚生労働省が定めた診療報酬点数表により行うため、医療保険関係各法の理解や法律・通知の読解力をベースにして、医療に関する幅広い知識が求められており、専門性が高いスキルが必要になります。
また、診療報酬点数は通常2年に1度の法律改正で改定されるため、最新の点数表を知る必要があり、しかも案件によって診療報酬の算定方法も異なります。
医療機関にとっては、この算定が正確に行われることが非常に重要であり、医療事務を目指す方にも、この診療報酬点数表の理解が基本となるわけです。
この試験は、高い知識と能力を必要とされるため、数ある医療事務の中でも難易度が高いことでも知られており、そのため就職には有利だとも言われています。
診療報酬請求事務能力認定試験の概要
下記が、診療報酬請求事務能力認定試験の概要です。
試験名 | 診療報酬請求事務能力認定試験 |
---|---|
資格の種類 | 民間資格 |
受験資格 | 受験資格は問いません。
どなたでも申込可能 |
試験科目 | 科目は医科と歯科の2種類
試験は、それぞれ学科試験と実技試験を行います。 |
受験料 | 9,000円(税込) |
主催団体 | 公益財団法人日本医療保険事務協会 |
診療報酬請求事務能力認定試験の形態や会場
診療報酬請求事務能力認定試験の形態や会場についてご紹介します。
試験形態について
試験の形態は、下記の1種類になります。
・会場受験
他の医療事務の試験では、在宅受験やインターネット受験などを実施している試験も多いです。
コロナ禍の厳しい状況が続いたため、会場受験よりも在宅やネット受験を推奨する所も多いですが、診療報酬請求事務能力認定試験の場合は現時点(2021年)では会場受験のみになっています。
試験会場の概要について
試験会場は、下記の都市にて行われます。
■全国一斉統一試験/全国17会場
札幌市、仙台市、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟市、金沢市、静岡市、愛知県、大阪府、岡山市、広島市、高松市、福岡県、熊本市、那覇市
診療報酬請求事務能力認定試験の日程や試験時間
診療報酬請求事務能力認定試験の日程や試験時間について、下記にご説明します。
試験時期や試験時間について
試験時期 | 年2回(7月、12月)
日曜日又は祝日 |
---|---|
試験時間 | 3時間
13時00分〜16時00分までの間 |
試験日程について
2021年度の12月に行われる試験の日程や出願期間は、下記の通りになっています。
※ネット環境が困難の場合は、郵送の受付もあります。
但し、受験申し込み期間が短くなります。
試験日(在宅試験) | 申込期間 | 合格発送予定日 |
---|---|---|
2021年12月12日(日) | 2021年9月21日(火)10:00〜10月22日(金)17:00迄
※郵送の場合:10月20日(水)必着 |
2022年2月18日(金) |
※上記の日程の申込みは受付は終了しています。
合格発表は、基本的に試験を実施してから約2ヶ月後ということになります。
そして、受験された方全員に合否通知が送付され、協会のHPに掲載(受験番号のみ)されます。
詳しくは公式ページにてご確認ください。
診療報酬請求事務能力認定試験の出題内容について
診療報酬請求事務能力認定試験の科目や出題範囲、試験に持ち込める物などは、下記の通りです。
試験科目と形式等
試験科目や試験の形式等は、下記になります。
医科と歯科に分け、それぞれ学科試験と実技試験を行います。
[学科試験]
医療保険制度その他法令等に関する問題及び診療報酬点数表に関する問題計20問
5者択一式のマークシート方式
[実技試験]
診療録(カルテ)から手書き方式で診療報酬明細書(レセプト)を作成
・医科:外来から1問と入院から1問の計2問
・歯科:外来から3問
試験の出題範囲
試験の出題範囲は、下記になります。
受験案内に添付の「診療報酬請求事務能力認定試験ガイドライン」に記載
次の内容について試験を行うことが記されています。
○医療保険制度等
○公費負担医療制度
○保険医療機関等
○療養担当規則等
○診療報酬等
○薬価基準・材料価格基準
○診療報酬請求事務
○医療用語
○医学の基礎知識
◯薬学の基礎知識
○医療関係法規
○介護保険制度
会場に持ち込める物
試験会場には、下記の物が持込可能です
試験場への診療報酬点数表、その他の資料の持ち込みは自由
但し、パソコン、携帯電話等の電子通信機器の持ち込みは不可
診療報酬請求事務能力認定試験の合格率・合格基準
診療報酬請求事務能力認定試験の合格率はどうなんですか?
「診療報酬請求事務能力認定試験」は、他の医療事務の資格に比べると難易度が高く合格率も低めだと言われています。
下記に、説明してみました。
受験者数・合格者数・合格率について
主催している「公益財団法人日本医療保険事務協会」によると、2021年度7月11日(日)実施の受験者数と合格者数は下記になります。
区分 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
医科 | 3,138人 | 1,177人 | 37.5% |
歯科 | 62人 | 22人 | 35.5% |
年ごとに合格率が違いますが、合格率はおおむね30%〜40%になります。
これまでの合格率の平均は、医科は約30%、歯科は約38%(2021年2月現在)になっています。
合格ラインについて
2021年度7月11日(日)に実施された試験の気になる合格ラインは、下記の通りです。
試験科目 | 合格ライン | 平均点(参考) |
---|---|---|
医科[学科] | 65点以上(95点満点) | 62.0点 |
医科[実技] | 80点以上(100点満点) | 74.9点 |
歯科[学科] | 80点以上(100点満点) | 76.1点 |
歯科[実技] | 90点以上(100点満点) | 83.0点 |
※この資格は一度取得すれば有効期限はなく使用できます。